火星との交信記録

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逗留ツーリング、ビーチでゴロゴロ【ベトナムツーリング最終回】

ニャチャンの朝。昨日はタフだったし、なんか腹の調子も悪いし、今日はゆっくりしようと10時くらいまでゴロゴロする。

そして出発、初めて海沿いの1号線を走る。

さすが国道1号線、道に穴なんて空いてない。渋滞もなく信号もなく、並走する統一鉄道と追いかけっこしながら淡々と北上する。アクセルを緩める事なんてほとんどない。

 

日本と同じような山岳地帯の割合、日本と同じような国土面積で、ここまでバイクが走りやすいのはなぜなんだろう。人口が少ないから?(ベトナムは9000万)、車が少ないから?(関税の関係で車は日本の2倍の価格が付いてる)

 

ベトナムで一度走り始めると止まるきっかけを失う。信号がほとんどないので、止まれないというのもある。でもいいのだ、今日は見たい場所がある。80㎞を休憩なしで走り抜けた。

見たい場所というのは、ここだ。

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巨大な陸繋島

Mũi Điệnという岬(発音としてはム↑↓イディエッンか)。

この岬は巨大な陸繋島だ。陸繋島というのは、島と陸の間に砂が堆積し地続きになってしまった地形の事だ。

その場所に立ちたかった、きっとそこは、白い砂浜が岬へと続く絶景があるはずなのだ。ニャチャンを出て何時間走っただろうか、海の先へと延びる半島が見えてきた。

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ああ、あれだ、1号線を折れ半島へと入る。砂丘の中を走っているような道路。

半島を走り始めてしばらくは、海もそれほど見えなかった。 

少し長めの坂を登る。登り切ったら、海が見えるはずだ。

坂を登りきる、そこには見たこともない真っ白な砂浜と、油絵の具で描いたような濃い水色の海が、いきなりどどーんと広がっていた。水色と、青と、白と、3色だけで描かれた世界。

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どうやって撮っても、写真では伝わらない。諦めて走り出す。砂漠のように広い砂丘の中を走る。やがて岬の先端に着き、それより先は歩かないといけなかったので折り返して戻る事にした。さらに先に行くと、ベトナム最西端の碑があるらしい。 

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ひたすら走る。遅く出たから距離を稼がないでもいいかと思っていたのだが、走り始めるとクイニョンまでは行きたくなってきた。ぶっ倒れそうになるまで走り、目についた道端の飯屋でチャージする。

マップを確認すると、4時の時点でクイニョンまで102kmを残していた。あと90分で日暮れ。それまでに100㎞走れるか?嗚呼、計画性のない男。 

しかし、結論から言うとクイニョンには17時半に着いてしまった。

峠を越え、夕日に染まる稲を眺め、海へと落ちる夕日と追いかけっこしながら淡々と、それでも楽しみつつその日最後のランを終えた。 

宿の中学生くらいの女の子は日本語を話せた、ベトナム語で「日本語話せるの?」ときくと「スコシ」とはにかみながら答えてくれる。

スーパーで買い出し、地方都市なのに凄い人出。品物も豊富でホーチミンと遜色なくてびっくりした。少し飲みすぎて寝る。 

 

翌朝、少し遅めに起きる。

今日は180km程度しか走らない、ボーナスステージだ。目的地のホイアンの手前にクアンガイ省があるのだが、以前訪れた事がある。その時見たビーチに、何泊かしてみたいと思っていた。

1号線を淡々と走る。1号線を使ってしまうと、ほんとに淡々と走ってしまう。

まぁ今日はビーチに早めに入ってゆっくりしよう。道草食わずに走り続ける。

ビーチの手前の街で、バイク屋に入りメンテナンス。

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空気入れて、チェーンの調整と給油で50円。親切な親父だったが、グーグルマップと違う道をやたら進めてくるので困った。

15時くらいには宿に入り、早速ビーチへ。遠浅のビーチでベトナム人しかいない。まぁ駅からも遠いし、外資も入ってこないんだろうな。欧米系も2日いて3人見ただけだった。

ゴミもなく透明な海、ぱちゃぱちゃやってるだけで楽しい。

腹が減ったら海の家へ。適当に頼んでビール飲んで1000円。

メニュー見てもよく分からないので、おばちゃんのおすすめを頼む。

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おいしそうだったので撮らせてもらった、「試してみる?」って言って貰う

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2日目は蟹を攻める、調子に乗って2匹食ったら2000円請求されてビビる

2日目も何をするでもなく、ビーチ散歩して飯食っておしまい。移動の連続の日々の息抜きだ。毎日、海の家のおばちゃんに「お前ひとり?」って聞かれるのには閉口したけど。(バイク屋の親父にも、「1人?」って聞かれるし、やっぱりベトナムで一人旅って相当珍しいんだろうな)

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やがて楽園の日々は終わり、俺はラストランを走り出す。砂埃も、無遠慮な太陽も、嗚呼、今となってはすべてが愛おしい。

少し脇道に逸れたりしながらラストランを楽しんで、Styleのホイアン店に辿り着いた。サービスのビールを貰い、バイクのチェック、デポジットの払い戻しを受けホイアンの中心まで送ってもらう。

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ホイアンは花の咲き乱れるかわいい街だった。あんまり観光地は興味ないのでさらっと見ておしまい。夜までいたらランタンが綺麗らしいっすよ。ダナンまでバスで移動し、次の日の早朝便でサイゴンに戻って来た。

 

 

帰国までの1日半は、お土産買ったり、友人と会ったりして慌ただしく過ごす。

走り終えた感慨はあんまりなかった、道もいいし困難さはない。

ただ、外国をバイクで旅する楽しみは、僕の脳みそにしっかり巣食っているようだ。

証拠に僕は、台湾のレンタルバイクについて調べ始めている。

 

おちまい