大阪と和歌山を結ぶ国道26号線を俺はぶっ飛ばしていた。
急がないと...急がないと...フェリーが出てしまう....
あれほど時間があったのに、なぜぎりぎりの時間に出発したのか。
2時間前の自分に問いただしたかったが、そうもいかない。
今の自分が頑張るしかないのだ、そして今の自分に出来ることはただ一つ、その右手のアクセルをもうほんの少しひねる事だけなのだ。
無情にも時間は過ぎていく、フェリー乗り場に着いたのは出航の13分前、切符売り場にべた付けし駆け込む。
「21:40発はまだいけますかぁ!」という俺の祈るような声に、ガラスの向こうの係員はしっかりと親指を立てた(嘘だ、ほんとは「大丈夫です」というそっけない返答だけだった)。
俺は長年、行けずにいた「剣山スーパー林道」を走りに行く。
Rタイヤは新品だし、荷物は極限まで削った。
そして、フェリーは徳島港に「ざぶん」と、着岸した。
着岸したのは午後11時である。当然、夜をやり過ごさないといけない。
実は事前に野宿スポットを探しておいたのだ。
場所はここだ:
グーグルマップ上に現れる野宿サイトの文字。キャンプサイトではなく、野宿サイト...
行くしかないでしょう。
昼間に行くとただの河原なのだが、夜に行くと薮の中のでこぼこ道を通ってアプローチする必要があり、マジで怖い。
色んなとこで野宿してきたけど、これは...と思いながら買ったばかりの安物中華タープを張り、寝袋に入り耳栓をつけた瞬間、疲れてたのもあり即寝た。
起きたら早朝とかではなく、朝だった。太陽が高い。
タープ泊は初めてだったけど快適だ。撤収が速いのが何よりもいい。
ただ、ヘキサタープよりも、オーソドックスなひし形のタープの方が張りやすいのでは?とは感じた。
僕(俺呼称やめます)のタープはペグとガイドが付いて2,500円の激安タープだが、生地のゴワゴワ感もなく、適度な厚みもあり良い買い物だった。
1時間ほど走って、スーパー林道の東口よりログイン。
なんと、日本三大酷道の193号線を使ってアプローチできる。
193の時点でおなか一杯だが、剣山スーパー林道は延々80km以上も続くのだ。
そう、延々とね...長すぎて若干飽きてくるし、景色も似たような所が多いので、期待値を上回る事はない。ファガスの森の鹿肉カレーは微妙....(林道上に2か所飯屋があるので、そこで食事をとれるよ)
それでも、俺は日本最長の林道を走りきったのだ、という満足感は得れる。
走行動画は以下にまとめましたのでご覧ください:
走り終えると特にやることもなかったので、徳島からフェリーで和歌山に戻り、その日の午後11時に家に着いた。
スーパー林道で「大阪から日帰りでこれる」って言ってる人いたけど、確かに和歌山から高速とかを使えば余裕で来れるだろうな。
そんなこんなで、剣山スーパー林道走破です。
空荷で走ればもっと楽しめたのかもしれないが、不完全燃焼な感はある。
僕の場合、ずっと行きたいと思っていたところなので事前情報が多すぎて、感動が薄かったのかもしれない。
おちまい