帰ってきました。結論から言うと1,200㎞走りませんでした。880㎞位かな。沿岸部を走る気が途中で無くなって、中部高地を抜けて帰ってきました。
結局、休みの内の3日しか使わず。後は家で勉強してました。
高地はこの時期めちゃくちゃ寒いです、夏の終わりの北海道のイメージ。
というかホーチミンも肌寒いです、毎日クーラーなしでブランケットかけて寝てます。
テトの間、交通量は少なく街は静かです、クラクションの音が聞こえない。
1日目】寝台列車で移動
テト時期の寝台列車の混みようは半端じゃありません、ニュースではキャンセルが相次いで運休が出たと言っていたのに、僕の乗った便は一つのベットに家族4人が座っていました。(下段ベットは繁忙期はこのような運用をしているみたいです)
それでもそこそこ眠れ、翌朝Dieu Tri着。
2日目】
駅ではコロナ対策で検問が始まってました。
一瞬、「HCMに帰れ!」となるかなと思ったのですが解放、構内の荷物引き取り所に向かいます。ちゃんと届いていて安心、実際は自分が到着する1時間前に駅から着荷の連絡が電話にてありました。
今回、バイクの鉄道輸送を利用して色々分かったのでまとめると:
1.着日の5日前から予約可能(早すぎると断られる、又保管料(1日 1万ドン)が発生する。
2.駅の窓口に直接持っていけばよい、必要な情報は駅名と着日のみ。車両証は必須だが必ずしも所有者の名前が本人である必要はない。
3.着荷時に携帯電話に連絡がある、このため受信できる携帯が必要かと思われる。(申込時にも聞かれる項目である)
4.ガソリンは抜かれるので、なるべく空に近い状態で駅に持ち込む。引き取り時は、駅員に5万ドン握らしたらペットボトルでどっかから買ってきたくれた。(通常ペットボトルは2万ドンくらいなので2倍程度するが)
駅を出て、給油したらひたすら山を目指す。今日は国境の手前の街 Plei Canまで行く必要がある。
ベトナム統一鉄道はそのほとんどが海沿いの路線なのだが、Plei Canは標高800m以上あります。一気に高度を上げると、雨が降ってきました。ここでカッパを忘れたことに気づきます。道沿いの雑貨店で、販促品のあまりのカッパを3万ドンで買ってしのぎます。
幸いなことに雨はすぐ止みました。
Nha Rongを見るようになりました。中央高地独特の建築様式で、集会場としての機能があるそう。昔、ハノイの民俗資料館に行った時に見ましたが実物を見れて感激。この辺の山岳民族は、ベトナム戦争時にはどさくさに紛れて独立しようとしたり、アメリカ側について終戦後虐殺されたり(イーストウッドのグラントリノにも出てきますが)、イデオロギーの波にもみくちゃにされた人たちなのです。
家も高床式で、海沿いのキン族とは全く別な文化圏の人たちです。
淡々と走り、5時前に投宿。コロナと、テト休暇のせいで大きなホテルだったのですが、客は自分を含めて2人だけでした。
3日目】
20㎞先の国境を目指します。そこで、3国間国境(タイ、ラオス、ベトナム)を踏む予定です。
3国間国境は、以前スイスのバーゼルに行った時に見た「スイス、ドイツ、フランス」以来です。
3国間国境はベトナム領内のはずなので、行く分に問題はないはず。とこからアプローチしていいのか分からなかったのですが、あぜ道みたいなところから入ってしまいました。
国境は山頂にあるので、ぐんぐん上っていきます。あと、500mまで来たところで写真を撮っているとサンダル履きの警備隊に捕まりました。曰く外国人は国境ゲートで許可証を取る必要がるとの事。50万ドンくらい握らせようかと思いましたが、純朴そうな青年だったので困らせるのもよくないなとゲートまで降りる事にしました。
下山して、国境ゲートまで行くと係員は外国人は入山不可と言うではありませんか。あぜ道でアプローチしたので分からなかったのですが、今自分はラオスとベトナム国境の緩衝地帯にがっつり入っちゃってるみたいです。
という事はどういう事なのかというと、ラオスに片足突っ込んでる状態なのです。つまり係員の胸三寸では隔離2週間も十分ありうる…?案の定、ベトナム入国側ゲートに戻ると、なぜかラオス側からパスポートも持たずに来た日本人の対応に応援まで呼ばれる始末。職員もイレギュラーすぎてどうでもよくなったのか、最終的に解放されました。
係員の気が変わる前にマッハで離脱。
この日は海まで出るつもりだったのですが、案外海が遠かった為、内陸を通って帰るルートに変更バンメトートを目指します。
途中警官に速度違反で捕まったのですが、外人相手がめんどくさくなったのか解放されました。
3日目】
カンボジアの国境が近いので見て帰る事にしました。
バンメトート、ホーチミン間の高原地帯はコーヒーや、ゴムなどの換金作物が見当たらず家々も粗末な家が多かったです。ベトナム版ラストベルトなのかもしれない。
バンメトートからは特にドラマもなく、淡々と帰ってきました。300㎞以上あるのですが、1日で帰れることに驚き。信号もなく、交通量も少ないベトナムは距離は稼ぎやすいです。
最南端も行った、高地も見てみた。その上で言えるのはこの国は空っぽ。都市部に全てがあり、ベトナムの文化とはつまり都市の文化。
最南端の街カマウから吹いてきた風が、そのままハノイまで吹け上るくらいこの国はなんもなくて平らなんです。
おちまい