AF24が直ったら、XRのRブレーキのブリードスクリューからフルードが染みているのを見つけてしまった。
やれやれ、手の掛かる娘たちだぜ。ついでにキャリパーのオーバーホールと、ブレーキホースも変えてしまおうと作業を始める。
ブリードスクリューが何か分からない人に説明差し上げると、
このボルトの事。このボルトは写真下側についている穴が中を通っていて、ボルトの上まで貫通している。
ボルトが締まっている時はボルトの先端とキャリパー側がしっかりとかみ合い、回路内のブレーキフルードを漏らさないようにしているのだが、緩めることで中のフルードを抜くことができる。
中のブレーキフルードを変えた際に、ブレーキ回路内に混入したエアを抜くために使われる。
今回はブレーキフルードがこのボルトから染みているのを見つけてしまったのだ。
キャリパーオーバーホールの際にボルトを新品に変えてみたが、改善せず。となると、キャリパーの当たり面に問題があるという事で、それはつまりキャリパー交換を意味する...が交換したくないのでいろいろ調べる。
その結果;
・キャリパーとボルトの当たり面は少し強く締めすぎただけでシールが出来なくなる
・ブリュードスクリューからブレーキフルードが漏れるのは割とよくある現象
・対策としては、シールテープを巻くのが一般的(反時計周りに2-3周)
といった情報が得れた。
脱線するが、日本の一般産業で多く使われるネジのシール方法は、Rネジにシール巻いて差し込む方法。これはトルク管理が難しいので、ヨーロッパではGネジにシールワッシャやOリングを噛ましてシールする方法が一般的だ。では、バイクはどうかと見てみると、オイルドレンボルトに始まり、ほとんどのネジは、Gネジにシールワッシャを噛ましてシールする方法を採用している。
これはおそらくトルク管理を容易にするためだと思われる。
また、ブリュードスクリューのシール方法に注目すると、これは先端を「コーン」と呼ばれる角度をつけた面同士をかみ合わせる事でシールをしている。この方法はメタルシールと呼ばれ、一般的に油圧回路に採用されることが多いシール方式だ。
ただ、メタルシールというのは曲者で、同じ規格同士の物を勘合させても漏れが生じる事がある。これは加工精度の微妙な差から十分にシールができない事に因る。
先端の「コーン」が過トルクで少しでも歪めば、フルードは簡単に漏れてしまう。
それをシール材をキャリパーのGネジ部にに巻き付ける事で、「コーン」から漏れていてもGネジ部でフルードを止めてしまおうというのが、このシール材を用いた対策なのだ。
本来シールすべきところで漏れていて、本来シールの役目を持たないところでシールをさせるのは僕のようなA型人間には甚だ不快なのだが、かといってシール面を綺麗にするほど暇でもないのでさっさとシール材を巻いて締め付ける。
結果:漏れはぴたーっと止まり、とりあえず様子見のフェーズに移行した。
勢いFキャリパーもオーバーホール。押し引きがとんでもなく軽くなり大満足。ブレーキ性能に関しては、普段そこまでハードブレーキしないので実感はないがよくなってるんでしょう。
色々調べていると、最初からシール材を巻いているブリュードスクリューも発見。(ロックタイトかもしれないが、この手のロックタイトは赤色だから違う気がする...)
もう最初から、お守り代わりに巻いとくのもアリかもしれない。
おちまい